L歯科クリニック

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歯科医療コラム

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新年あけましておめでとうございます

制作事例_01

新年明けましておめでとうございます。

昨年は多くの患者様に来院頂き、また多くの関係者の皆様にお世話になり心より感謝申し上げます。

2025年もスタッフ一同、患者様の健康をお口の中からをサポートさせていただくと共に、

安心して通院できるよう努力していきたいと考えております。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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さて、本年も歯科について様々な分野に渡る医療コラムを記事にしていこうと思います。

昨年は歯を磨かないとどうなるのか?やむし歯について、またそのむし歯が進むと歯の神経を抜く処置(抜髄:ばつずい)が必要になるという流れについてお話しました。歯のむし歯や痛み、神経の処置と来ましたので、次は歯肉の話に移りたいと思います。

 

歯周病という言葉はほとんどの方は聞いたことがあると思います。気になっている方も多いのではないでしょうか。歯肉炎や歯周炎(歯周病)について、細かく説明するのは次回以降に予定しています。今回は、お正月に食べ過ぎてしまって、血糖値が気になる方必見の新しい発表についてお話します。

 

2024年の研究報告ですが、「2型糖尿病患者における歯周病原菌と血糖コントロールに対するマウスウォッシュの効果」として大阪大学からScientific Reportsという有名な雑誌に発表されたものです。歯周炎は糖尿病や心臓疾患に深い関わりがあると知られていますが、この論文はマウスウォッシュでうがいをすることで、歯周病の原因となる重要な細菌を抑制し、歯周炎の発症率が低下することと共に、HbA1c値が減少することを示しています。

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血糖値はご存じでしょうか。血糖値とは、「血液中のブドウ糖の濃度」を言います。ご飯やおやつなど食事をすると、食べ物に含まれる炭水化物(糖)が分解されて小さくなり、それ以上分解できないブドウ糖(グルコース)となります。そうすると、小腸などで吸収され、血液中に入ると、血糖値として測定されるのです。血糖値ととく一緒に耳にする検査値にHbA1c値という値があります。

HbA1c値というのは、ヘモグロビン・エーワンシーと言い、赤血球中のヘモグロビンという色素のうち、どれだけの割合が糖と結合しているかを示す値です。すなわち、普段から血糖値が高い人はHbA1c値が高くなります。(糖が血中に沢山あるため、ヘモグロビンと結合する糖が多いということ)一度、糖と結合したヘモグロビンは、赤血球の寿命(およそ120日)が尽きるまで、元に戻ることはありません。HbA1c値は過去1~2か月前の血糖値を反映します。

血糖コントロールの目安として、HbA1c値(%)が血糖正常化を目指す際の目標を6.0%、合併症予防のための目標を7.0%、治療強化が困難な際の目標を8.0%としています。

 

血糖値を改善させる生活習慣として、睡眠の改善、口腔ケア、体重コントロールです。糖尿病は歯周病を進行しやすいリスクがあるため、歯周病の治療により血糖値の改善に効果があることは報告されています。歯周病について詳しくは次回以降お話しますが、歯周病も歯周病細菌の感染による感染症です。歯周病原細菌の出す毒素が体内に入ると、インスリン(血糖値をコントロールする)の働きが悪くなることが分かっています。

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話を戻します。血糖値が高い歯周病患者において、マウスウォッシュを用いると血糖値、特にHbA1c値が減少するとう発表は、歯周病の治療にも有効だと思います。さて、この論文、マウスウォッシュならなんでもいいのかというと、宋ではなさそうです。クロルヘキシジングルコン酸塩を含むマウスウォッシュでうがいするということがポイントだそうです。クロルヘキシジングルコン酸塩は、細菌の細胞壁に結合することで細胞を破壊して抗菌作用を発揮します。歯面に吸着してプラークの再付着を抑制することも知られています。そんなクロルヘキシジングルコン酸塩は、0.12%~0.2%の濃度で多くの研究がされてきましたが、洗口液(マウスウォッシュ)の原液濃度は0.05%までに規制されています。それをお水で薄めて、およそ0.01%程度の濃度で使う場合が多いのです。

クロルヘキシジングルクロン酸塩を含むマウスウォッシュは、コンクールF(ウェルテック株式会社)、オーラルブルー(Swedentis)などがあります。

 

しかし、良いことばかりではありません。副作用として、アナフィラキシーショックが報告されています。また、歯の着色や味覚異常なども報告がありますが、気をつけなければいけないのはアナフィラキシーショックです。10万回に1度弱の頻度で発生しますが、他の消毒薬と変わりません。アレルギーのある方は使えません。

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発表された研究では、6カ月間、1日3回マウスウォッシュでうがいしていました。6カ月続けた結果、HbA1cが劇的に減少しています。マウスウォッシュを使ったセルフケアで、血糖値も安定することができれば、とても有用な情報だと思います。L歯科クリニックでも購入することができますので、気になる方はぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか。

 

             L歯科クリニック 歯科医師 副島寛貴

 

参考)Matayoshi S, Tojo F, Suehiro Y, Okuda M, Takagi M, Ochiai M, Kadono M, Mikasa Y, Okawa R, Nomura R, Itoh Y, Itoh N, Nakano K. Effects of mouthwash on periodontal pathogens and glycemic control in patients with type 2 diabetes mellitus. Sci Rep. 2024 Feb 2;14(1):2777. doi: 10.1038/s41598-024-53213-x. PMID: 38307981; PMCID: PMC10837110.

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