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歯科医療コラム

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歯科用実体顕微鏡(マイクロスコープ)ってなに?

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皆さん、こんにちは。L歯科クリニックです。

前回は、根管治療(根の神経の処置)や歯の詰め物の治療に使用するラバーダムについてお話しました。

特に、ラバーダムは細菌感染から防御することができ、とても有効なのですが、なかなか普段の治療で頻繁に使っている歯科医院は多くありません。その辺りを歯科医師のアンケートと共にお伝えしました。

今回は、歯科用実体顕微鏡(マイクロスコープ)とは何だ?というテーマでお話したいと思います。

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歯科用実体顕微鏡(マイクロスコープ)って皆さんご存じですか?現在は少しずつですが歯科医院で導入されてきているように感じますが、まだまだ普及したとは言い難いのが現状かもしれません。近年のIT化によって、歯科も10年前とはだいぶ器材や機器も変わってきました。ネットが発達した今、歯科用実体顕微鏡の有用性については、歯科医師でなくても検索すれば誰でも情報として手に入る時代です。しかし、日本における普及率は今でも約10%ほどだと言います。医科の分野での導入は1950年代には耳鼻咽喉科で使用され始め、眼科や脳神経外科など多分野において使用されてきた歴史があります。歯科では1990年代に入ってから、歯内療法(歯の神経の処置)分野で取り入れられました。1998年にはアメリカの歯内療法専門医プログラムで、歯科用実体顕微鏡の教育プログラムが義務付けられるなど、かなり早い時期から進んでいます。

歯科用実体顕微鏡(以下マイクスコープ)の何が良いのでしょうか。

年々、歯科医学の発展により様々な治療技術や器具、機器が開発されてきました。当然、皆さんも歯科治療に対してより高いクオリティーを求めるようになってきています。人間の裸眼で見える範囲は限られていて、今以上の質を求めるとなると見えている解像度、拡大率を上げるしかありません。肉眼で見ても全く分からない(見えない)ものが、マイクロスコープでははっきりと見えてきます。拡大率はメーカーやそのマイクロスコープによりますが、大体20倍くらいの拡大率(高い物は40倍)で見ることができます。私たちはよく、マイクロスコープを紹介する時には、お札を例に見てもらうことが多いです。日本のお札(銀行券)には偽造防止の為に様々な隠し文字が入っているのをご存じでしょうか。サクラのマークの所にはカタカナで「二」「ホ」「ン」と一文字ずつ入っています。また、所々にローマ字で「NIPPONGINKO」と書かれています。これは、肉眼ではほとんど見えません。見える方がいたとしても、マイクロスコープを使えば、それが20倍の大きさで見ることができるので、とてもはっきり、くっきりと大きく見ることが可能になるのです

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マイクロスコープは、診療にとても重要な機器だと考えています。噛むと痛いという訴えのある患者さんの口腔内を見ても、大きなむし歯はないし、レントゲン写真にも何も写ってこない。こういう場面にはたくさん遭遇します。でも、マイクロスコープで見てみると、歯に亀裂や破折があることが確認できることがあります。肉眼では見えないけれど、マイクロスコープで覗いたら、痛みの原因がみえるのです。それだけではありません。歯の神経の処置では、とても小さい歯の中を手探りで治療するより、当然マイクロスコープを用いながら治療する方が、何倍も精密に正確に治療を行うことが可能です。歯の詰め物も、目には見えない段差をなくしたり、最終仕上げにも使えます。我々歯科医師だけではなく、歯科衛生士の歯石除去やメインテナンスで使用する例も増えてきているのが現状です。

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しかし、利点が多く見えるマイクロスコープですが、利点ばかりではありません。日本ではマイクロスコープが段々と普及してきたと言っても、まだ10%足らずです。しかも、歯科医院に1台という所が多いのではないでしょうか。各チェアーに1台のマイクロスコープを付けている歯科医院は数少ないと思います。なぜ、こんなにも有用性の高いマイクロスコープがもっと多くの歯科医院に普及しないのでしょうか。マイクロスコープの難点は、コスト、チェアタイム、技術の3つが挙げられます。マイクロスコープはとても高価です。メーカーにより値段の違いはありますが、車が1台、あるいは2台買えるくらいの価格です。また、基本的な処置に際しても相当な技術が必要となります。その技術を習得するまでに、長い時間をかけて習得する必要があるのです。マイクロスコープを覗きながら、処置をするため、手元は見ていないわけです。さらに、技術が習得できて処置を行う場合でも、1人の治療に時間がかかるのです。先ほどもお話したように20倍も倍率を上げて見ているため、精密な治療が行える反面、1つの作業にものすごい時間を要します。1人にかけるチェアータイム(治療時間)が、通常の治療に比べると、とても長い時間かかってしまうのです。今の日本の保険制度では、歯科医院を運営していくのはとても大変です。そこに1人の時間が長くかかるマイクロスコープは、経営を圧迫しかねません。そういう理由で、日本では普及が遅れ、ほとんどの歯科医師や歯科衛生士がマイクロスコープを治療の度に使用するということはできなのです。ラバーダムの場合と同じように、日本の皆保険というのが、求められているクオリティーの高い歯科医療と相反するのかもしれません。

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マイクロスコープを導入している多くの歯科医院では、マイクロスコープを用いた根管治療は自費治療になっています。私たちL歯科クリニックでは、マイクロスコープを用いた治療でも、保険内で治療を行っています。歯内療法専門医である院長は、マイクロスコープの専門でもありますので、根の治療をしたけれど痛みが取れない方や、マイクロスコープを用いた精密治療をご希望の方は、ぜひ一度、L歯科クリニックにご相談ください。

 

L歯科クリニック 歯科医師 副島寛貴

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