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歯科医療コラム

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ラバーダム防湿法ってなに?

制作事例_01

皆さん、こんにちは。L歯科クリニックです。

前回は根の治療をして神経を取ったにも関わらず、その歯が痛むのはなぜか?というお話をしました。

今回は、ラバーダム防湿についてメリット・デメリットも含めてお話したいと思います。

 

ラバーダム防湿とはなにか。

色々な歯科医院のホームページでも紹介されているラバーダム防湿。ご存じの方も多いかもしれません。ラバーダム防湿法というのは、ゴムのシートを治療したい歯にかけて、薬剤や治療の際に出るお水を口腔内に漏らさないための器具装置です。字のごとく、ラバー(ゴム)のシートを使って、ダムのように水や薬剤をせき止める役割をします。

ラバーダム防湿法を行うと、上のイラストの様な感じになります。

ラバーダム防湿法は、1864年にBarnumにより提唱されました。今からおよそ160年も前です。とても歴史が長いラバーダムは、今でも歯科治療に使われていて、今までお話してきた根管治療にはなくてはならない必須アイテムなのです。実際には、根管治療だけでなく、むし歯を治療する際に詰め物(コンポジットレジン修復)をしたり、ホワイトニングの薬剤を使う場合にもよく登場します。とにかくラバーダム防湿はとても使い勝手のよいメリットが多い器具であることは間違いありません。では、なぜ様々な歯科医院でホームページに載るほど話題が尽きないのでしょうか。それは、デメリットも少なからずあるため、ラバーダムを使用していない歯科医院も多くあるからだと思います。それを今回は整理してみたいと思います。

制作事例_01

ラバーダム防湿法には、様々な器具を使います。

 

①ラバーシート。緑色だったり、白だったり。紫もあります。材質やラバーの厚さ、大きさによって違いがあり、また沢山のメーカーが発売しているので、使っている歯科医院によって好みのラバーシートを選んでいます。

②ラバーダムフレーム。コの字になっている金属製の枠組みです。ラバーシートにひっかけて、シートをピンッと張るために使用します。

③ラバーダムクランプ。治療したい歯にかけます。クランプをかけた歯だけがラバーシートの上にくるように装着するようにします。歯の大きさや種類に合わせたクランプを選択します。

④ラバーダムフォーセップす。ラバーダムクランプを歯に装着する時に、クランプを口腔内に運ぶためのものです。

⑤その他に、ストッパー、デンタルフロス、シーリング材(クランプと歯の隙間を埋める材料)など。

 

この様に、いくつかの器具を用いて、治療の前にラバーダム防湿を行います。

制作事例_01

ラバーダム防湿法のメリット

ラバーダム防湿の一番のメリットは、細菌感染からの防御です。前回までにお話した根管治療は、齲蝕や口腔内の細菌感染により引き起こされた歯髄の炎症や根尖病巣を治療します。細菌の感染が原因なので、治療をする際に、唾液(細菌が沢山いる)がきれいに掃除している根管に再び入ってしまったり、唾液に触れた治療用器具を使うだけでも細菌を根管内に持ち込んでしまう危険があります。特に根管治療においては、この口腔内細菌による感染の排除とコントロールできるかという点が、今後の治療の成功に直結するのです。従って、治療中はラバーダム防湿をして、唾液の侵入を阻止し、感染からの防御にできるだけ力を注ぐ必要があります。また、ラバーダム防湿をすることで、治療する歯だけを露出して治療を行うので、舌や頬などの粘膜(頬粘膜)を排除することができます。(ラバーシートの下に隠れるため)当然、舌や頬粘膜も唾液が付いていますし、なにより薬剤や切削器具(歯を削る器具)などが触れないため、安全に治療をすることが可能です。そういった点においても、我々術者だけでなく、患者さんの口腔内の保護にもつながりますので、ラバーダム防湿はとても効果的です。

 

ラバーダム防湿のデメリット

これだけ治療に素晴らしい効果があるラバーダム防湿ですが、良い点だけではありません。当然、デメリットもあります。ラバーダム防湿に使用する器具を紹介しましたが、これだけ様々な器具が必要になります。しかも、治療を始める前に行う前準備にです。当然コストもかかりますし、時間や手間もかかります。その他、ラバーシートを使用するので、ゴムのアレルギーがある方は使用できません。これもメーカーによって材質は様々ありますので、使用可能なシートを使えば問題ないのですが、1つの歯科医院に沢山の種類のラバーシートを取り揃えている所はあまりないと思います。また、治療をする歯だけ露出して、舌や頬を覆うようにシートを被せるので、鼻呼吸が難しい患者さんも使用が限られます。

このように、ラバーダム防湿は治療の予後に直結するとても重要な前準備です。ラバーダム防湿のメリットは他では得られません。しかし、日本では、ラバーダム防湿を行っている歯科医院はとても少ないのが現状です。その辺りを次回のテーマでお話したいと思います。コスト、手間、時間がかかっても、L歯科クリニックではラバーダム防湿を行っています。確実な治療効果を得たい、何回も根管治療をしているという方はぜひ一度L歯科クリニックにご相談ください。

 

             L歯科クリニック 歯科医師 副島寛貴

 

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