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歯科医療コラム

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6月4日~10日は歯と口の健康週間です

制作事例_01

歯を磨かないとどうなるの?~習慣って大事なんです~

 

皆さん、こんにちは。L歯科クリニックです。

今回は、歯を磨かないと口腔内はどうなるの?というテーマでお話したいと思います。

前回の記事では、歯を磨く回数のお話をしました。日本の国民80%が、1日2回以上歯を磨いているという厚生労働省の調査で分かりました。これはかなり優秀な数字だと思いますが、皆さんはいかがでしょうか。

私たちは子供の頃から、毎日歯を磨くことが当たり前のように教育されてきています。なんなら、ご飯を食べたら磨きなさいと言われていた記憶があります。小学校でも(中学校では指導されていなかった様な・・・?)給食の後は、みんなで並んで歯磨きをする時間がありました。

でも最近、特にコロナ渦では、再開された学校生活でも歯磨きの時間がなかったというお子さんもいたと耳にしました。飛沫感染と考えられていた新型コロナ(SARS-CoV-2)は確かに集団での歯磨きには注意が必要かもしれません。公益社団法人日本学校歯科医会でも、注意喚起がされています。ただ、歯磨きは子供の歯の成長や口腔内の健康を保つためにとても重要です。いくつか注意をしながら歯磨きを学校でも続けていくことが必要だと思います。

1.一度に多くの子供が集まって、歯を磨かないこと。

2.飛沫が飛び散らないように、歯ブラシを小刻みに動かすこと。

3.歯磨きをしながら動き回ったり、しゃべったりしないこと。

4.口をゆすぐ時には、勢いよく吐き出さないこと。

 

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磨かないとむし歯になる、感染症リスクが上がる

感染症を広げないためにも注意深く歯磨きをする必要がありますが、学校での歯磨きにはメリットもたくさんあります。まず、習慣ができることです。お家での歯磨きは、お父さんお母さんに後磨きや歯磨きチェックをしてもらう時期は、しっかり磨けるかもしれません。ですが、学年が上がり、中学生や高校生になってくると、段々歯磨きが適当になってくる子供たちがいます。学校検診や歯科医院でのチェックでは高学年の子供たちは汚れでいっぱい。そんな場面によく遭遇します。当然、乳歯や幼若永久歯(大人の歯になっても、最初は歯が柔らかい)はむし歯になりやすいのです。あっという間にむし歯がたくさんできてしまいます。でも、小さい頃からの習慣が身に付いていれば、比較的億劫にならず磨ける子もたくさん見かけます。要は、磨かないと気持ち悪いと思うくらい、歯磨きが生活の一部になってくれれば良いわけです。人の意識が変わり、それに伴って行動や習慣が変わることを「行動変容」と言いますが、まさにその初期のステージに必要な取り組みだと考えられます。

それともう一つ、学校での歯磨きのメリットは、ウイルス対策です。給食を食べたお口の中は、細菌がたくさんいます。そのお口の中の細菌数を歯磨きによって減らすことで、外から来るインフルエンザウイルスや新型コロナウイルスの付着を予防することが可能になるという研究成果が報告されています。歯磨剤を使用した場合、歯磨剤に含まれている成分が口腔内に入ろうとするウイルスを防ぐ役割もあるようです。

この様に、もし歯を磨かないとむし歯やウイルス感染症にかかるリスクがあることが分かります。

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プラークが溜まり歯石が沈着する

さらに、歯を磨かないとどうなるでしょうか。

今度は歯肉にも影響を及ぼします。特に大人は歯周病に注意しなければなりません。私たちの食べ物は細菌にとっては栄養源になります。食べた後磨かないと食べカスが溜まり、それをエサにした細菌が増えていきます。その細菌が産生する酸によってむし歯になるのですが、プラーク(細菌と細菌の代謝産物)という細菌の塊が歯磨きで除去されないと歯石になります。半年に1度でも歯科医院に定期検診に行くと、大体の方は歯石がついていますねと指摘されるのではないでしょうか。毎日しっかり磨いていると思っていても、なかなか全ての汚れやプラークを落としきるのは困難です。歯石は、プラークが石灰化して固く石の様な状態になったものです。唾液にはリン酸やカルシウムが含まれているため、プラークにそれらが沈着して、固くなります。そうなったら、自分でいくら頑張って磨いても歯磨きでは落とせません。歯科医院で超音波器具を用いて、強固についた歯石を落とす必要が出てきます。そうなる前に歯を磨いて落とさないといけません。

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歯周病になり、歯の喪失危機

歯石を放っておくと、どうなるのでしょうか。歯石はプラークが石灰化したもの、イコール、細菌の塊です。しかも、歯と歯肉の間につきやすい為、歯肉の炎症が起きます。もちろん、半年以上放っておいても、しっかり歯科医院で歯石を落とせば、今の歯肉の状態を維持できる患者さんもいます。しかし、加齢や全身の健康状態によって免疫力が低下し、細菌が産生するサイトカイン(骨を溶かしたり、炎症を引き起こす)によって、どんどん歯周病は進行します。今や生活習慣病の1つとして考えられている歯周病は、とても治癒するのは難しい病気です。今はまだ大丈夫だと思っていても、半年後は急激に噛めなくなっているかもしれません。歯はあごの骨に植わっています。歯周病になれば、あごの骨が溶けていき、植わっている歯の部分が減ります。当然、植わっている骨がなくなれば、歯がぐらぐら揺れてきて、最終的には歯が抜け落ちてしまうリスクがあります。その前に、歯が揺れることで、噛むと痛みが出ます。そこで保存が難しければ、抜歯を選択せざるを得ません。歯をしっかり磨かなかったばっかりに、最終的には歯を失うことにつながるのです。

まとめると・・・

今は生活習慣病の1つとして考えられている歯周病です。お口の中だけではありません。糖尿病や心筋症など全身の健康にも影響を及ぼすことが分かっています。「歯を磨く」ことは、とても簡単にお口の健康や全身の健康を維持するには最適な方法なのです。歯磨きと全身の関連性については、また別の機会にご紹介します。このちょっとした歯磨き習慣をぜひ小さなお子さんからご高齢の方まで、L歯科クリニックで一緒に見直してみてはいかがでしょうか。

 

参考文献)

①公益社団法人日本学校歯科医会

②特定非営利活動法人 日本臨床歯周病学会会誌 JJACP Vol.40  No.2/2022

③Isomura ET, Suna S, Kurakami H, Hikoso S, Uchihashi T,  Yokota Y, Sakata Y, Tanaka S.

 Not brushing teeth at night may increase the risk of  cardiovascular disease. Sci Rep. 2023 Jun 28;13(1):10467.

 

            L歯科クリニック 歯科医師 副島寛貴

 

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